ホームページをリニューアルする際の進め方やポイント

「アクセスが伸びない…」「問い合わせが少ない…」「スマホからだと見づらい…」
このような悩みをきっかけに、ホームページのリニューアルを考える方は多いのではないでしょうか。
ホームページのリニューアルは、単にデザインが新しくなるだけではなく、ユーザー体験を向上させることで、売上・集客・ブランド印象を一度に改善できる大きなチャンスでもあります。ただし、現状抱えている問題を整理し、目的に合った形にリニューアルしなければ思ったような成果には繋がりません。
では、どうすれば効果のあるリニューアルに繋げられるのでしょうか?
本記事では、ホームページのリニューアルを計画する際のポイントや進め方のコツなどを、分かりやすく解説していきます。
ホームページをリニューアルする前に押さえたいポイント

ホームページのリニューアルは、見た目を新しくするためだけの作業ではありません。社内の状況や市場の変化に対応し、誰にどんな情報を届け、どのような行動に繋げたいのかを考える大切な機会です。
以下では、リニューアル前に押さえておきたいポイントをご紹介します。
現状の課題を洗い出す
ホームページをリニューアルする前に欠かせないのが、現状の課題をきちんと整理することです。
「問い合わせが少ない」というお悩みでご相談を頂くことがありますが、その原因は単純なものではありません。
例えば、担当者の退職で更新作業が止まっている、競合が同様のサービスを始めた、採用がうまくいかず体制が弱まっているなど、背景にさまざまな要因があります。こうした根本的な課題を把握しないままリニューアルを進めてしまうと、表面的な改善のみで終わってしまいます。
まずは「なぜホームページを改善する必要があるのか」を明らかにし、経営や事業全体の動きと結びつけて考えることが大切です。課題と目的を混同せず整理できれば、より効果的な改善の方向性が見えてくるでしょう。
ターゲット選定と自社の強みを分析する
続いては「誰に何を伝えるのか」をはっきりさせることです。ホームページを訪れる人には、商品を検討しているお客様・すでに取引のある企業・採用情報に関心を持つ人など、さまざまな属性が考えられます。まずは考えられる対象をすべて洗い出し、その中から自社にとって特に重要なターゲットを優先順位づけしましょう。そのうえで、ターゲットごとに必要となる情報を整理すれば、自然とサイトの構成や必要なページが見えてきます。
また、自社の「強み」と「弱み」を分析しておくことも非常に大切です。
強みは全面にしっかりアピールする一方、弱みは改善への取り組みや将来の方向性として発信すれば誠実な印象に繋がります。これによって競合との差別化もでき、閲覧者に信頼されるホームページを作ることができるでしょう。
リニューアルの目的を明確にする
最後に、ホームページを作り直す目的を明確に決めておきましょう。ここでいう“目的”とは「月間の問い合わせを○件増やす」といった数値目標だけではありません。例えば、「新しいサービスについて広く知ってもらいたい」「まずは気軽に問い合わせしてもらいたい」「採用活動を後押ししたい」など、ユーザーにどう動いてほしいかをイメージすることが大切です。
目的がはっきりしていれば、後から数値的な指標を設定して成果を測ることも可能です。逆に目的が曖昧だと、デザインや機能ばかりに目が行き、ユーザーにとって価値のあるホームページにならないでしょう。
ホームページのリニューアルでよくあるトラブルとは?

ホームページのリニューアルは、企業にとって新しい可能性を広げるチャンスです。しかし、リニューアルの目的を曖昧なまま進めてしまったり、デザインに偏りすぎたりすることで、思わぬトラブルに発展することがあります。
リニューアルの目的を決めていなかった
ホームページを新しくしたいと考える背景には「見た目を新しくしたい」「問い合わせを増やしたい」「競合に勝ちたい」などの漠然とした動機が多くあります。しかし、明確な目的を定めないままリニューアルを進めると、成果に直結しないホームページになりやすく、費用や時間だけが消費されてしまいます。
「月間の問い合わせ数を30%増やす」「ユーザーの離脱率を20%下げる」といった、リニューアルの具体的なゴールがなければ、制作会社との方向性も一致せず、完成後に「思っていた効果が出ない」と後悔するケースも少なくありません。
ホームページのリニューアルは見た目を新しくするだけでなく、達成すべき目的を最初に決めることが大切です。
デザインや機能にこだわりすぎている
新しいデザインや機能をリニューアルを機に取り入れることは魅力的に感じますが、そこに過度にこだわってしまうと、本来の目的を見失う可能性があります。
例えば、動きの多いアニメーションや凝ったレイアウトを取り入れた結果、ページの読み込み速度が遅くなってしまうと、ユーザーの離脱率を上昇させてしまいます。さらに、デザイン性を優先するあまり、情報の優先順位や動線設計が後回しになってしまうケースも多いです。
閲覧者は「見やすさ」「使いやすさ」を重視しています。見栄えを意識することはもちろん大切ですが「ユーザーにとって必要な情報を最短で届けられるか」という視点が欠けると本末転倒になりかねません。
ユーザビリティが低下している
ホームページのリニューアル後によくあるトラブルのひとつが、ユーザビリティの低下です。例えば、従来はワンクリックで到達できたページが複雑な階層に埋もれてしまったり、ナビゲーションの位置が変わって利用者が迷いやすくなると、離脱率は一気に上昇してしまいます。
さらに、ホームページ閲覧におけるスマートフォン利用率が7~8割を占める現代では、スマートフォンでの操作性を軽視した設計は多くのユーザーを不便にさせてしまうため、モバイルファーストの設計が欠かせません。
見た目の変化だけでなく、実際の閲覧者が「迷わず快適に使えるか」を意識することが大切です。
ホームページをリニューアルする際の進め方

あらかじめホームページリニューアルの適切な進め方を理解しておくことで、よりスムーズに成果に繋がりやすいホームページが実現します。
以下では、その具体的な進め方について解説していきます。
リニューアルを進める前に、まず「なぜリニューアルするのか」という根本的な目的をはっきりさせることが非常に大切です。例えば、ブランドイメージの向上・新規顧客の獲得・既存顧客との関係強化・採用活動の促進・社内の更新効率改善など、企業ごとに目的はさまざまでしょう。
目的が不明確なままプロジェクトを進めると、制作内容がブレやすくなり、関係者間で認識のズレが生じやすくなります。初期段階で具体的な目的を決め、チーム全体で共有しておくことで、制作会社へスムーズかつ明確に指示することができます。
目的を決めたら、達成すべき具体的な目標・指標(KPI・KGI)を設定します。
「問い合わせ件数を1.5倍にする」「ページ滞在時間を30秒延ばす」「直帰率を10%下げる」など、数字で測れる目標にするのがポイントです。数字で表すと、リニューアルの成果を客観的に評価できます。また、目標を設定することで、制作会社も成果を意識した設計や導線作りを行いやすくなります。
目標は定量的だけでなく、ブランド認知やユーザー満足度などの定性的な指標も合わせて考えると、より改善点が見えてきます。
現状のホームページが抱える課題を整理することは、リニューアルを成功させるための基盤となります。アクセス解析・ユーザーアンケート・社員へのヒアリングなどを活用して、直帰率が高いページ・更新作業の負担・情報の古さなど、課題を定量と定性の両面から洗い出しましょう。
現状の課題を明確に把握することで、改善すべき箇所や優先順位が見えてきます。さらに課題整理を行う過程で、ユーザーの行動やニーズを理解しやすくなるため、デザインやコンテンツの方向性をより的確に決定することが可能です。
これにより、ただデザインが新しくなったホームページではなく、ユーザー体験や成果に直結するホームページを作ることができます。
ホームページのリニューアルには、デザイン製作費・コンテンツ作成費・システム開発費・SEO対策・運用サポートなど、さまざまなコストが発生します。そのため、事前に全体の予算を設定しておく必要があります。予算設定が曖昧だと途中で追加費用が発生したり、必要な機能を削減せざるを得なくなったりする可能性があります。
予算を決める際は、単純な制作費だけでなく、リニューアル後の運用や改善に必要な費用も考慮することが大切です。これによって、コスト管理がしやすくなり、限られた予算内でも効果的なサイトに改善することが可能です。
リニューアルを行う前に、競合他社や参考になるサイトを調べることで、自社サイトの強み・弱みが客観的に把握できます。UI/UX・動線設計・訴求ポイント・SEO対策など、多角的に比較して自社の改善点や差別化できるポイントを見つけましょう。競合調査を通じて得られた情報は、リニューアルの方向性や優先順位の決定、コンテンツ作りの参考にもなります。また、競合の成功例や失敗例を把握することで、同じ過ちを避けたり、より効果的な表現方法を導入するヒントにもなります。
ターゲットにとって魅力的で使いやすいサイトにするために、分析結果を反映させ、他社と差別化されたコンテンツを作ることが成功のポイントです。
要件定義とは、リニューアルの目的や目標、現状の課題を踏まえて、サイトに必要な機能・ページ構成・デザイン・コンテンツ内容などを整理する作業のことを指します。
例えば、トップページの構成・問い合わせフォームの機能・お知らせの更新方法・レスポンシブ化・SEO対策などを整理します。要件を明確にすることで制作会社との認識のズレを防ぎ、スムーズな制作が可能になります。また、要件定義はプロジェクトの進行管理や完成後の品質チェックの基準となるため、詳細かつ具体的に作成することが求められます。
要件定義が固まったら、ホームページ制作会社に見積もりを依頼します。複数社から見積もりを取り比較することで、予算内で最適な提案を受けることができます。このとき、費用面だけでなく制作会社の実績や得意とする分野・サポート体制・提案力なども確認することが大切です。
依頼時には、要件定義書を基に目的や優先度をしっかり伝えることで、制作会社が自社の要望に沿った提案をしやすくなります。見積もり比較を通じて今後の運用まで任せられる制作会社を選びましょう。
完成したサイトは、公開前にテスト運用を行い、リダイレクト設定や問い合わせフォームの動作確認、表示設定、各デバイスでの表示をチェックします。問題がなければ本公開を行い、その後は設定した指標に基づき効果測定を実施します。アクセス解析・ヒートマップ・ユーザーアンケートを活用して課題を見つけ、必要に応じて導線の調整やコンテンツの追加、SEO改善などを行います。
ホームページのリニューアルはゴールではなく、サイト運用と改善を繰り返すことで成果を最大化するスタート地点です。継続的な改善を前提にプロジェクトを設計することが、成功に繋がります。
自社に合ったホームページ制作会社の選び方

ホームページのリニューアルを進めるにあたって、自社に合った制作会社を選ぶことも非常に大切です。会社選びを誤ると、デザインや機能が希望通りに仕上がらず、目的の達成が難しくなることがあります。
自社の希望を理解し、それに沿った新たな提案もしてもらえるか
ホームページ制作会社を選ぶ際、自社の希望を的確に理解してそれに基づいた提案をしてくれるかが大切です。例えば、単にデザインや機能の要望を伝えるだけでなく、制作会社が自社のビジネスモデルやターゲット層、業界特性を考慮した上で、より効果的な提案をしてくれるかを確認しましょう。
信頼できる制作会社は、ヒアリングを通じて自社の目的や課題を深く理解し、単なる「改善」ではなく、「課題解決」や「成果達成」を目指した提案を行ってくれます。
自社の要望に似たホームページの制作実績があるか
ホームページ制作会社は得意分野の違いによって、制作するホームページが異なります。自社の業種や目的に近い制作実績があるかどうかチェックし、自社に適したホームページを制作できるか判断しましょう。例えば、ブランディングサイトの制作経験が豊富な制作会社は、ノウハウや成功事例を活かして、より効果的なホームページを提供してくれます。
実績を確認する際には、デザイン・クオリティ・SEO対策・お客様の声なども併せて評価するのがおすすめです。
担当者との相性・コミュニケーションに問題がないか
ホームページのリニューアルは、長期間にわたるプロジェクトであるため、担当者との相性やコミュニケーションの円滑さが成功の鍵を握ります。例えば、専門用語が多くて理解できない説明や一方的な進行ではなく、双方が意見を交換し合いながら進めることが大切です。
信頼できる制作会社の担当者は、自社の要望や意図を汲み取り、適切なアドバイスやフィードバックを提供してくれます。また、進捗状況や課題についても透明性を持って共有し、問題が発生した際には迅速に対応してくれるでしょう。
まとめ
この記事では、ホームページのリニューアルを計画する際のポイントや進め方のコツについて解説してきました。
ホームページのリニューアルはデザインを新しくするだけではなく、企業の課題を解決し、成果を上げられるチャンスです。リニューアルを成功させるためには、まず自社の課題を整理し、ターゲット設定や自社の強みを明確にすることが欠かせません。
リニューアルの進め方としては、まず始めに、リニューアルの目的とゴールを決めて、自社の現状の課題を洗い出します。その後、予算設定・競合調査・要件定義を経て、制作会社に見積もりを依頼します。ホームページ公開後も検証を行い改善を繰り返すことが成功の鍵となります。